しかし、のどかで平和な日々だけが続いたわけではありません。
秋の長雨の季節になりました。今日も雨がふり続いています。
「よくふるなあ。そろそろやんでくれねえと、大変なことになるぞ。」
「今日でもう三日もふってるもんな。白馬(はくば)がこなければいいが。」
村人は、利根川の増水を心配して、見回りに出かけました。このあたりは、今までに何度も何度も、この白馬(はくば)におそわれています。
上流から濁流が二メートル余りの高さで押し寄せるその荒れ狂う波のようすはあたかも白い暴れ馬がおそって来るようだったので、村人は『白馬(はくば)が来るぞっ』といって、恐れおののいたのです。今では、広さ11.8平方キロメートルもの田中遊水地(たなかゆうすいち)で守られていますが、このようなもののまったくなかったその昔は、どんなにおそろしかったことでしょう。
(補足)
丑の越し番 子・丑・寅・・・の十二支に合わせ、十二軒の家がそれぞれの日を受けもって、その日の越し番をしました