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オサンギツネとおじいさん

むかし、名戸ヶ谷村から柏村に出るときは曲がりくねった坂道をのぼり、オサンギツネという人を化かすキツネがいるといわれる淋しい道を通らなければなりませんでした。
ある雨上がりの日のこと、喜平じいさんが馬に乗って柏のお医者様に出かけ、家に帰ってきた時のことです。

馬を追う野馬懸(のまかけ)、甲冑(かっちゅう)競馬、神旗(しんき)争奪戦、お行列など、旧相馬中村藩地域(福島県南相馬市、相馬市)で繰り広げられる相馬野馬追は東北六大まつりのひとつに数えられています。
この相馬の野馬追はいつ、どこで始まったのでしょうか。
時は平安時代、京都の朝廷に反旗を翻し(ひるがえし)、自ら新皇を名乗って東国の独立を図った平将門公は騎馬戦を得意としていました。
将門公は下総国(しもうさのくに)小金ヶ原(千葉県北西部)で、放たれた野馬を敵兵に見立てた軍事訓練を行っていたのです。
これが相馬野馬追の起源です。
婆さまが家に戻ると、爺さまが「おれのこと追ん出そうとしてんな」といって、高下駄をはいて、家を出て行ってしまいました。
びっくりした婆さまは弥助に声をかけ、ふたりで爺さまの後を追いました。
爺さまは不思議なことに、柏村に向かってぬかるんだ坂道を高下駄ですべりもせず、転びもせずに歩いていきます。そして坂道が終わったあたりでバタッと倒れてしまいました。
「爺さま、しっかりしろ」と抱きかかえると、
「ここはどこだ?おらぁどうしちまっただ?」
我に返った爺さまを見て、婆さまと弥助はひと安心しました。

ぬかるんだ坂道はきれいに舗装されていますが、今も名戸ヶ谷小学校のそばにあります。

このお話の舞台

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