あるとき、畑に出ていた若者がいつものように水を飲みにきました。池はまわりの木の影を落として、みどりいろに澄みきっていました。はじめ、手ですくって飲んでいた若者は、手をついて腹ばいになり、池に顔をつけてむちゅうでのみました。そのとき、池の水がにしきいろに輝いているのに気づきました。びっくりして顔をあげると、目の前に美しいこんぶくろ(きんちゃく)が浮かんでいました。若者は思わず手をのばしましたが、波にゆらゆら揺れているこんぶくろは、なかなかとれません。木の枝につかまって足をのばしたり、いろいろやっているうちに、こんぶくろは見えなくなってしまいました。若者は、村に帰ってその話をしました。
村の人たちは、
「それはきっと米を生むふくろだんべ・・・・・・。」
「いや、それは子を生むふくろだんべ・・・・・・。」
と、つぎからつぎへと伝わってうわさ話に花が咲きました。それからは誰言うとなく、こんぶくろ池と呼ぶようになったということです。