あまりにもそのむすめっ子がきれいなもんだから、しばらく見とれてしまった車屋さん、思い出したかのように「だいたい、いくらいくらのけんとうでいかれるよ」と答えました。
すると、むすめっ子は前金と心づけをすっとわたし、ひょいと車に乗りました。
きれいなむすめっ子に前金と心づけまでもらって、車屋さんも大よろこび。
「しっかりつかまっていてくだせぇ」というが早いか、いちもくさんにかけ出しました。
走りながら「ずいぶんと軽いな。若いむすめっ子だから、こんなもんか。」
おうらいもすくなく車も軽いので、本当ならゆうに一刻(いっとき)半はかかる道のりを一刻かからずに、布施弁天の入口についてしまいました。